【 入門編 】外構のインターロッキングとは?(歴史を解説)
「 インターロッキング 」という言葉を聞いたことはありますか?
もし、ないと答えた方も、きっと街中で、目にしたことはあるはずです。
本記事では、インターロッキングの由来(歴史)と、基礎知識について解説します。
インターロッキングとは?
インターロッキングの正式名称は「 インターロッキングブロック 」と言います。
一般家庭から、公園まで幅広く用いられています。
語源は「 interlocking 」という英語で、「 組み合わせる 」「 噛み合わせる 」という意味から、そのように呼ばれています。
インターロッキング(ブロック)は、別名「 舗装用コンクリートブロック 」とも言います。
実際にブロック同士が連結されているわけではなく、隣り合ったブロックとは、側面についた目地キープ(突起)と接しているだけです。
目地キープで確保された目地に、目地砂を詰めて、敷砂と言われる砂の上に設置されています。
つまり、インターロッキングとは、ブロックを噛み合わせるように配置した舗装を指し、荷重がかかった時、ブロック間の目地に充填した砂により、ブロック相互の噛み合わせ効果(※荷重を分散させる効果)が得られる舗装ブロックのことです。
インターロッキングの由来
インターロッキングブロック(以下IL)の歴史を、時系列でまとめてみます。
1890年代 ~ 旧西ドイツで、石塊(いしくれ)に代わる材料として提案される。
1936年 ~ 旧西ドイツで、重交通試験により、ILが車道に適用できることが分かる。
1950年代初期 ~ 第二次世界大戦後のオランダで、レンガ建築が増加し、生産の追いつかないレンガの代用品として、急速にILが普及。
1950年代中期 / 後期 ~ 住宅のILが急速に普及、石畳の代用品としても使用されるようになる。
1960年代中期 〜 南アメリカ、南アフリカがILを導入。
1970年代 〜 日本をはじめ、英国、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドがILを導入。
1990年代 〜 中近東と東南アジアがILを導入。
2010年代初期 〜 中国が世界最大のIL使用国となる。
このように見てみると、ILの発祥は旧西ドイツで、日本に普及され始めたのは、半世紀ほど前であることが分かりますね。
ドイツやオランダは、昔から石畳の文化が根付いていることが大きな理由でしょう。
一方、日本でILが少ない理由は、戦後、アスファルト舗装から始まった文化が関係していると思われます。
街の中のインターロッキング
筆者は神戸・三宮の山の手近辺に住んでいますが、ここ数年前から駅の再開発に伴いアスファルトがインターロッキング舗装に変わっていくのを見てきました。
徐々に駅周辺のプロムナード化が進み、ダークグレーとライトグレーの色調のインターロッキングブロックが敷設され、照明や街路樹、ベンチなどが一新され、モダンで明るい雰囲気に変貌されました。
ちなみに、全国からみたインターロッキング舗装の割合は、兵庫県の場合、約4%に過ぎません。
都道府県で見ると東京都が最多の約17%で、その次に多いのが大阪府の約11%です。
ちなみに全国の約45%の量を、関東の一都六県(多い順に埼玉、神奈川、千葉、茨城、群馬、栃木)が占めています(2019年度全国市場規模)
あなたの住む街では、インターロッキングをよく見かけるでしょうか?
インターロッキングの用途
インターロッキングの用途として、一番多いのが歩道(自動車道も含む)38%で、公園・広場が29.5%、建築外構が23%で、歩行者用道路が全体の90%以上を占めています。
公共工事の割合が多い日本では、インターロッキングの使用率は公共65%、民間35%ですが、何とアメリカでは公共8%、民間92%だそうです。
アメリカには、住宅を含めた外構エクステリアが資産価値として評価される文化があるからです。
自宅のアプローチなどに、インターロッキングを使用することが資産価値向上に繋がるのですね。
まとめ
本記事では、インターロッキングの基礎知識と歴史について紹介しました。
インターロッキングを探しながら歩いてみると、町の見え方が少し変わるかも知れませんね。
自宅の外構で活用してみたい、と感じるようになったら、まずエクステリア業者に相談してみましょう。