外構のインターロッキング(メリット&デメリットを解説)
前回の記事では、インターロッキングブロックの基礎知識と歴史について解説しました。
本記事では、インターロッキングのメリットとデメリットについて解説します。
自宅の玄関アプローチや駐車場など、外構エクステリアに使用する前に、知っておくと失敗はなくなるでしょう。
インターロッキングの普及
前述したように、インターロッキング(以下IL)は、西ドイツで開発され、1970年代に日本に導入されました。
はじめは車道のみで使用されていましたが、改良がなされて、今は歩道や広場、公園、ショッピングモールやプロムナード(遊歩道)など、様々な場所で見られるようになりました。
筆者が今朝、モーニングをするために出かけた下町の商店街の歩道も、色彩が豊かなデザイン性に富んだILだったので、普段は足元を見ながら歩かないのですが、今日は、観察しながら歩いたのでした。
都心だと、有名な場所では、東京駅前の丸の内口、新宿駅前、渋谷のスクランブル交差点の歩道などに使用されているので、パブリックな場所にある舗道というイメージが強いかも知れません。
ちなみに、バーチャル世界の話ですが、娘がプレイしていた「 ポケットモンスターバイオレット 」の世界でも、歩道をよく見ると、ほとんどがILでした。
インターロッキングのメリット
インターロッキングのメリットとしては、主に
- 耐久性、柔軟性に優れている
- 景観性、意匠性に優れている
- 透水性が高く、水はけが良い
- バリエーションが多く、種類が豊富
- 遮熱性が高い
などが挙げられます。以下に、それぞれを解説します。
耐久性と柔軟性
耐久性、柔軟性が高いのが、インターロッキングの優れた点です。
地面の揺れや変化に強いので、ひび割れが起こりにくいという特徴があります。
筆者のよく通う商店街でも、大型トラックが出入りしていますが、ひび割れは見当たりません。
駐車場など、毎日、車が出入りする場所によく使われているのも、そのためなのですね。
また、荷重を分散させる効果が高いので、歩道や車道にも採用されています。
コンクリートよりも柔軟性があり、石材やレンガなどに比べて、歩き心地も柔らかいのが特徴です。
景観性と意匠性
インターロッキングは、お洒落なデザインのものが多く、周辺環境に合わせた多彩な表面テクスチャーで、空間を彩ります。
駅前の広場や公園、ショッピングモールが明るく華やかに感じるときは、インターロッキングが使われていることが多いですね。
玄関アプローチに、ブロックを敷き詰めて、シンプルに並べるだけでもモダンな空間を演出できます。
自宅の駐車スペースに、敷き詰めて地面に模様を生み出すことで、海外の遊歩道のような可愛らしい空間を生み出すこともできます。
このように、公的な空間や一般住宅まで、様々なシーンで活用できるのが、魅力のひとつですね。
透水性
インターロッキングは、組み合わせたブロックとブロックの間に隙間があり、そこには砂が入れられているので、そこから雨水などが地面に浸透していきます。
そうして、水を地下へと戻すことで、水たまりを防止して浸水を防ぐことができます。
また、ブロック自体に透水性を持たせた透水ブロックは、水はけが良いので、駐車場などが水たまりになることもありません。
バリエーションが豊富
インターロッキングブロックは、形やカラー、素材などの種類がたくさんあります。
二色のブロックで模様を作ったり、大小の長方形や正方形を使ったり、シンプルな柄から、組み合わせによって様々なパターンを作り上げることができます。
また、ブロック自体にも種類が多く、目的や雰囲気に応じて選ぶことができます。
実際に、街中で気になったデザインなどがあれば、チェックしておくのも良いですね。
遮熱性
インターロッキングは、照り返しが少ないため、舗装の表面温度がコンクリートほど高くなりません。
自宅に面した部分を舗装する場合、室内温度や眩しさを抑えることができ、夏場でも快適に過ごすことができるでしょう。
また、遮熱ブロックは赤外線を反射して、舗装の表面温度を15℃も下げることができるので、駐車場などで用いると、車が熱くなりすぎないので最適ですね。
猛暑対策のひとつとして、インターロッキングでヒートアイランド現象を抑えることも、積極的に進めば良いなと思います。
インターロッキングのデメリット
インターロッキングのデメリットとしては、
- 導入コスト(下地、部材費用、職人)
- 施工時間と手間(すべてが人の手で作られる)
- 雑草が生える(目地砂から生えることがある)
- 色落ちしてくる(種類による、メンテナンスも可)
などが、挙げられます。
導入の際のコストや施工の難しさなどを考慮すると、プロの外構業者に相談、依頼することで、デメリットを解消できるでしょう。
まとめ
本記事では、インターロッキングのメリットとデメリットについて解説しました。
施工する場所や環境に合ったイメージをしっかり持つことで、失敗をなくすことができます。
予算やデザイン、機能性などによって最適な素材を選び、理想の雰囲気を作り上げましょう。