【 入門編 】壁の素材に使われる珪藻土(けいそうど)とは?
「 珪藻土 」という言葉を目にしたことはありますか?
ふりがな無しで読むことは出来ますか?
この記事では、耳にしたことはあるけど、よく分からないという方向けに、珪藻土についての基礎知識を解説します。
珪藻土の読みかた

まずは、読み方から。
「 けいそうど 」と読みます。
漢字検定準1級の漢字(常用外)ですので、読めなくて当然です。
Kソード?
うちの娘は図工好きで、先日、ダンボールで剣を作り、娘の名のイニシャルをとってKソードと名付けました。
というのは、冗談ですが、「 珪(けい)」という漢字は、
「 昔、天子が諸侯を封ずるときに与えた、諸侯としての身分をあらわす幅広の剣型の玉器(増殖難読漢字辞典.comより)」
との意味を持つので、あながち的外れではないのかも知れませんね。
珪藻土とは?

さて、「 珪藻(けいそう)」とは、何でしょう?
実は中学の理科で、習っています。
葉緑体を持ち光合成を行う植物として、アナミドロ、オオカナダモ、などと共に「 ケイソウ 」として唇の形をした単細胞生物として紹介されています(すぐに思い出せたあなたは、もと優等生に違いありません)
珪藻は、淡水・海水に生じる植物性プランクトンで、主に魚のエサとなります。
黄褐色で、細胞膜にケイ酸質の殻をかぶるため、珪藻と呼ばれます。
ちなみに、ケイ酸は、二酸化ケイ素の別称で、主成分はガラスと同じです。
吸着剤・乾燥剤・脱色剤などにも使われています。
珪藻は、条件がぴったり合ったときに繁殖し、池や水槽に藻が生えたり、赤潮が発生したりするのも、そのためです。
それらが、やがて死んで、残った殻が水底に沈殿し、積み重なって化石となります。
その化石を原料としているのが、珪藻土なのです。
珪藻土の歴史

珪藻土は、白亜紀以降、珪藻の殻の化石が地層に堆積したものです。
別名はダイアトマイト。
珪藻土が利用されていた歴史は古く、2,000年ほど前に古代ギリシアでは、軽くて水に浮き、火に強い素材として、耐火レンガの材料に使用されていたそうです。
トルコのイスタンブールにある博物館には、東ローマ時代に珪藻土で作られたドームが残っています。
日本でも七輪の材料や、伝統工芸品に指定されている輪島塗の漆に混ぜて吸着率を高めたり、様々なシーンで活用されてきました。
江戸時代には、飢饉の際に食用に使われたり(※真似しないでください)、アイヌ民族が、汁物のとろみ付けに使ったりしていたそうです。
戦時中には、ビスケットや乾パン、キャラメルなどの増量剤として使われたこともあるようです。
現代では、1990年後半から、建築材として注目されるようになりました。
珪藻土の産地

珪藻土は、ほぼ日本全国に分布していて約80ヶ所前後あります。
主な産地は、北海道、秋田、石川、島根、岡山、大分など。
産地によって純度が異なるため、秋田や大分県産は、ビールのろ過装置や土地改良、石川県産は七輪に使用されたり、様々な用途で活用されます。
海外では、アメリカ、中国、デンマークなどでも産出されています。
基となる珪藻そのものが10万種類ほどに分類されるので、産出された場所それぞれで、特徴も異なります。
珪藻土の用途
珪藻土は、ビールやお酒製造のろ過装置、乾燥土質の土壌改良、風呂桶や風呂マットなどでも活用されています。
また、無数の小さな穴を持っていることから、保湿性、断熱性、耐火性に優れていることから、珪藻土の塗り壁を内壁として利用するケースが増えています。
旅館の和室やレストランの壁紙、また、新素材の珪藻土の住宅としても利用されることで、注目を集めています。
新築の購入、リフォームの際には、珪藻土の壁を検討してみてはいかがでしょうか。
プロの外構・リフォーム業者に相談すると、失敗はないでしょう。
まとめ
本記事では、珪藻土(もう読めますね!)の基礎知識について、解説しました。
珪藻土の歴史は古いですが、建材として注目されたのは、割と最近のことなのですね。
次回の記事では、珪藻土のメリット・デメリットについて紹介します。
のメリットデメリットを解説--300x169.png)
