【 呼吸する壁 】珪藻土(けいそうど)のメリット&デメリットを解説
前回の記事では、珪藻土の基礎知識について解説しました。
本記事では、珪藻土を使用した壁のメリットと、デメリットについて解説します。
リフォームや新設を検討している方は、参考にしてくださいね。
珪藻土はどんな素材?
珪藻土は、住宅に自然素材を使いたいという方々から注目を浴びています。
珪藻土は、珪藻の化石で建材としては、壁や床、トイレや風呂場のリフォームに用いられることも多く、そのほかに、食品の湿気防止や、消臭グッズなどに使われています。
漆喰(しっくい)に似た風合いの外観に仕上げることができるため、DIY向けの建材としても人気です。
1990年後半には、シックハウス症候群やアスベストなどによる被害が問題となりました。
それから、自然素材の塗り壁が再評価され、漆喰よりも安価な珪藻土が選ばれるようになったのです。
珪藻土のオススメのポイント
以下の項目で悩んだり、困っている方には、特に、珪藻土をオススメします。
- アトピーやシックハウス症候群などのアレルギー
- 結露の多い環境
- 子どものいる家庭
珪藻土は、自然素材なので化学物質を含んでおらず、アレルギー反応に悪影響を及ぼしません。
そして、吸水性と吸湿性に優れているので、結露やそれに伴うカビの発生を防ぎます。
また、子どもを化学物質から遠ざけることで、アレルギー症状を引き起こさないようにするなど、子どものいる家庭でも、安心して使えるという点が、おすすめポイントです。
珪藻土の壁のメリット
珪藻土のメリットは主に4つです。
- 湿度を調整できる
- 耐火、断熱性がある
- 脱臭効果がある
- 空気清浄効果がある
以下に、それぞれのメリットについて解説します。
湿度を調整
無数の小さな穴を持つ珪藻土は、湿度が高くなると水分を吸収して、湿度が低くなると水分を放出し、湿度を調節する働きがあります。
珪藻土の壁は「 呼吸する壁 」とも呼ばれます。
お風呂上がりの水分でも吸収できるほどの調湿性能なので、結露を防ぐこともできるのです。
まさに、加湿(除湿)器いらずですね。
耐火・断熱性
七輪や耐火レンガに使われてきていることから、耐火性、断熱性が非常に高いことは疑う余地もありません。
珪藻土の融点は1200℃前後です。
火で炙っても燃えることはなく、仮に火災が起きても、燃焼を長く抑えることができるので、被害を抑えることができるでしょう。
また燃えた場合も、自然素材であるため有害ガスが発生することもありません。
熱伝導が低いという特性から、冷暖房効果が良くなり省エネに繋がるのも、メリットとしては大きいですね。
脱臭効果
珪藻土が吸水効果があることは前述しましたが、水分を吸着する際に、タバコの匂い・肉や魚を焼いた匂い・ペットの放つ獣臭などの匂いのもとを脱臭してくれます。
珪藻土の壁は呼吸をするため、やがて吸着した水分は放出されますが、その時には匂いの元も薄まっているのです。
空気清浄効果
前述の通り、匂いを吸収してくれる珪藻土ですが、匂いだけでなく、有害物質も吸着してくれます。
例えば、トイレのアンモニア臭、キッチンの生ゴミの不快な匂いなどを取り込んでくれるため、空気をきれいな状態で保つことができます。
また、ホルムアルデヒドやトルエンといった人体に有害な化学物質も、空気中の水分と共に吸着してくれるため、病気の予防や浄化への効果が期待できます。
珪藻土の壁のデメリット
珪藻土の壁のデメリットは、
- シミになりやすい
(コーヒーなど色の濃い液体をこぼしたら、汚れが取りづらい) - 粉が落ちやすい
(触ったり撫でたりすると、粉がポロポロ落ちることがある) - カビが繁殖しやすい
(定期的に水吹きをする、通気性をよくするなど、予防は可能)
などが、挙げられます。
どうしてもデメリットが気になる場合は、施工前にリフォーム業者に相談すると、素材のバランスを調整したり、対策を教わることができて、安心ですね。
まとめ
本記事では、珪藻土を使用した壁のメリットとデメリットについて紹介しました。
快適で、安全性も高く、住まいを健康に保つ、魅力的な要素が沢山ありました。
筆者も家族旅行などで老舗旅館や観光ホテルを利用すると、和室で、珪藻土の壁がよく使われていることに気がつきます。
自宅をリフォームする際は、メリットとデメリットをしっかり把握して、イメージを作った上で、エクステリア外構業者に依頼することをオススメします。