【 珪藻土 vs 漆喰 】塗り壁にするにはどっちが良い?
「 塗り壁~ 」といえば、放映55年を誇る、国民的人気アニメの妖怪キャラクターの名前(セリフ)ですね。
ところで、塗り壁とは、壁の下地に、それぞれの素材を何層にも塗って仕上げたものを指します。
本記事では、「 珪藻土(けいそうど)」を使用した塗り壁と、「 漆喰(しっくい)」を使用した塗り壁を比べてみたいと思います。
珪藻土と漆喰の違い

珪藻土は「 珪藻という植物性プランクトンの殻の堆積物(化石)」で(詳しくは別記事で解説しています)、漆喰は「 石灰石を原料とした壁材 」を指します。
石灰石のルーツはサンゴ礁であり、サンゴ礁が大陸プレートにぶつかり、陸地と一体化して生成された物質です。
石灰は、学校の校庭にライン引きで使われていた白い粉といえば、イメージしやすいですね。
これらに「 藁(ワラ)すさ(=土壁のひび割れ防止のために入れる藁) 」や、海藻から採取した糊などを混ぜて、塗り壁用の漆喰が作られます。
ふたつの素材の大きな違いは、自硬性があるかないか。
珪藻土そのものは乾燥するとポロポロ崩れるのに対し、漆喰は空気と混ざることで固まっていきます。
珪藻土はその性質上、塗り壁用の素材とする時に、泥や合成樹脂、糊材を添加していることが多いです(建材メーカーによって異なります)
漆喰は自ら固まるために、シンプルに、そのまま使えるということが特徴のひとつですね。
珪藻土と漆喰のメリット

珪藻土と漆喰のメリットのうち共通している性質は、
- 調湿性(ちょうしつせい)
- 消臭効果
- 耐火性
の3つが挙げられます。
調湿性に関していえば、どちらも室内の余分な湿気を吸着し、室内の乾燥時には湿気を放出してくれます。
効果は珪藻土の方が(湿気を吸う力が1.2倍)高いとされています。
消臭効果は、それぞれ役割が異なり、珪藻土は微細孔が匂いのもとやホルムアルデヒドを除去し、漆喰はアルカリ性であるためカビや細菌を分解してくれます。
ただし、メーカーによって固化材やつなぎに何を使用しているかによって、それぞれの効果に違いが表れることも知っておくと良いでしょう。
珪藻土と漆喰のデメリット

珪藻土と漆喰のそれぞれのデメリットは、
- カビが生えることがある(珪藻土)
- ひび割れが起きることがある(両方)
という点が挙げられます。
しかし、どちらもメーカーによって、デメリットを減らした素材が開発されているので、壁の素材を決めてしまう前に、まずは訊(たず)ねてみるのが良いですね。
塗り壁にはどちらが最適? 珪藻土 vs 漆喰

珪藻土と漆喰の違いについて説明してきましたが、それでは、実際にどちらを使用すれば良いのでしょうか?
結論を先に述べると、ケース・バイ・ケースです。
海辺や川辺、霧の多い山など湿度の高い立地では、珪藻土がオススメです。
湘南地方では、珪藻土の壁が多いというのは有名な話です。
その他の地域でも、浴室や地下室、脱衣所や水回りなどでは珪藻土が良いでしょう。
ただし、日当たりや風通しの良い場所では、漆喰でもじゅうぶん効果があるので、コスト面ではオススメできます。
日本では古来から、お城の外壁や木造の家でよく使われているので、漆喰の風合いはよく似合いますね。
例えば、玄関、寝室、洗面所、トイレ、リビングなど、場所によって塗り分けるのも良いですね。
湿度や結露が多いところは珪藻土、その他は漆喰、という風に当てはめると失敗はないでしょう。
どちらを使用すれば良いか、迷ったときはプロの業者に相談しましょう。
まとめ
本記事では、珪藻土と漆喰の壁の違いを紹介しながら、それぞれのメリット・デメリットを解説しました。
有名な旅館や、料亭ではどちらかの塗り壁が採用されていることが多いです。
宿泊や外食の際に、さりげなく観察しつつ、その部屋が快適であるかどうかをチェックしてみてはいかがでしょうか。
もしも、安らぐことが出来た、ぐっすり眠れた、などの効果があったら、自宅の壁に珪藻土・漆喰を採用してみることを検討してみるのも良いですね。
健康な空気で、安心な暮らしを実現するためにも。
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